海外(英語圏)で主流のお笑いが「スタンダップコメディ」。舞台から観客に対して漫談を披露する芸のことです。この記事では、日本に関するネタを披露したスタンダップコメディアンを、ネタと一緒に紹介します。
ミランダ・シングス
ネットフリックスのコメディドラマ『Haters Back Off』に登場するキャラクターがミランダ・シングス。「自分はスターだと勘違いしている残念な女の子による破茶滅茶なパフォーマンス」といった味わいの、キャラクターコメディです。2019年に発表された作品『Miranda Sings Live… Your Welcome』に、「たまごっち」が登場します。作品は子供向けにも見えますが、ミランダ・シングスに扮するコリーン・バリンジャーのパフォーマンスが圧倒的にプロフェッショナルなので、見ていて圧倒されました。
ガブリエル・イグレシアス
ラテン系アメリカ人のスタンダップコメディアンとしてレジェンドと言ってよい人気なのが、ガブリエル・イグレシアス。「太ったメキシコ系アメリカ人が滑稽な日常の話をコミカルな動きと声で表現する」といった芸風で知られています。2016年に発表された作品『Gabriel Iglesias: I’m Sorry for What I Said When I Was Hungry』では、「名前を叫びたくなる酒は危ない」という主張のなかで「酒酒!」と叫んでいます。
パットン・オズワルト
ディズニーの映画『レミーのおいしいレストラン』で主人公のレミーの声を演じたことでも知られるアメリカのスタンダップコメディアンがパットン・オズワルト。「安心感を感じさせる雰囲気の白人男性が世の中や身の回りの茶番についてほどほどの皮肉とウィットを交えた見解を示す」といった芸風で知られています。2022年に発表された作品『Patton Oswalt: We All Scream』では、いけてる人物についての説明の一部として、「折り紙の皿」が登場します。
トム・パパ
アメリカのスタンダップコメディが好きな人なら必ず知っていると言えそうな知名度のスタンダップコメディアンがトム・パパです。「地に足ついた一般中年男性が、日常生活の残念なリアリティについてリラックスした態度で話す」という芸風で知られています。「いじわるじゃないジム・ガフィガン」と例えたくなるような雰囲気です。2022年に発表された作品『Tom Papa: What a Day!』では、「飛行機の座席で相撲取りに挟まれてカマキリのようにプレッツェルを食べる」といった表現をしています。
トッド・バリー
デッドパン(かたい表情で行う漫談)の名手とも言われるアメリカのスタンダップコメディアンがトッド・バリー。「玄人な男性が日常生活のばかげた話を皮肉ろうとせず皮肉っている」といった味わいのパフォーマンスが味わい深いです。2017年に発表された作品『Todd Barry: Spicy Honey』では、「自分の部屋をこんまり*する」といった表現をしています。(*「こんまり/KonMari」は「片づける」のような意味で使われる英語のスラングです。)
ロン・ホワイト
テキサス出身で元アメリカ海軍のスタンダップコメディアンがロン・ホワイト。日本でも話題になった映画『セックス・アンド・ザ・シティ2』に出演したことでも知られています。ロン・ホワイトの芸風は「いかにもな白人男性が茶番に対してデリカシーそっちのけで本音を言う」という内容。2018年に発表された作品『Ron White: If You Quit Listening, I’ll Shut Up』では、「家にある日本製のトイレの蓋が自動で開かないときはそのままおしっこをかける」といった表現をしています。
マーロン・ウェイアンズ
黒人男性が白人女性に変装するアメリカのコメディ映画『White Chicks』で主演をしたことでも有名なスタンダップコメディアンがマーロン・ウェイアンズ。「良識のある黒人男性がいきすぎた世の中の茶番を全身を使ってコミカルにデモンストレーションする」という芸風で知られています。2018年に発表された作品『Marlon Wayans: Woke-ish』では、「ポケモン GOで遊ぶくらいの感じで白人警官は黒人を撃つ」と言っています。
ニコール・バイヤー
アメリカのプラスサイズ(体が大きいという意味)のタレントとしても有名なスタンダップコメディアンがニコール・バイヤー。「チャーミングな雰囲気の黒人女性が世の中の茶番をいじったり自分の失敗についてあっけらかんと明るくコミカルに話す」といった芸風で知られています。2021年に発表された作品『Nicole Byer: BBW』では、「誕生日に泣く白人の女はポケモンで言えばミュウツー」と言っています。
ミシェル・ブトー
アメリカのプラスサイズ(体が大きいという意味)の女性スタンダップコメディアンとして最も有名と言ってよい知名度なのがミシェル・ブトー。「チャーミングでポジティブで明るい雰囲気の女性がときに生っぽいウィットを効かせながら日常の滑稽な話をしている」といった芸風で知られています。2020年に発表された作品『Michelle Buteau: Welcome to Buteaupia』では、嫌な体験の例えとして「地下鉄で寿司を食べた」と言っています。
ラルフィー・メイ
アメリカのプラスサイズ(体が大きいという意味)がどうのこうの言われる前から有名だったスタンダップコメディアンがラルフィー・メイ。「くそ野郎がくそなことを言う」という芸風がうけている社会はやっぱりくそ。と言われている気分になるのが、ラルフィー・メイのパフォーマンスのおもしろいところだと感じます。2015年に発表された作品『Ralphie May: Unruly』では、人種差別のネタとしてアジア人を侮辱する流れの中で「chink ヒロシマ ナガサキ」と言っています。